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カリキュラムについて

心臓血管外科 後期臨床研修プログラム

これは医師としての初期研修を終了した者を対象とした、外科医としての最初の資格である外科専門医を取得し、そしてサブスペシャリティとしての心臓血管外科専門医を取得するためのプログラムです。そのために、岩手医科大学循環器医療センターを中心に研修協力施設にて臨床研修を行います。
 研修期間は外科専門医を取得するまでの前期と、心臓血管外科専門医を取得するまでの後期に分けています。

9. カリキュラム

【 1 目標】

A 前期
一般目標
 外科医として安全な医療を実践するために、医療スタッフや患者様と好ましい人間関係を形成する態度を身につけ、また、外科専門医(#2)を取得するに十分な外科に関する知識、技量を修得する。同時に、将来の心臓血管外科専門医(#3)取得のための基本的知識、技量を修得する。

行動目標

1 ) 診療チームの一員として周囲の医療スタッフとコミュニケートする。
2 ) Evidence-Based-Medicine を理解し、文献を調べ適切な治療法を適用する。
3 ) 患者さんやご家族に病状経過を適切に説明する。
4 ) 循環器系、消化器系、呼吸器系、内分泌系の臓器の構造と機能を理解し、
外科的疾患の病因、病態を説明する。
5 ) 心臓血管外科難易度 A,B,C の術式の適応と手技を説明できる。
6 ) 基本的検査、処置を安全に実施する。
7 ) 基本的な外科系手術の術前術後管理をする。
8 ) 外科の基本手技やカテーテル刺入、気管挿管を実施する。
9 ) 心臓血管外科基本手技(開胸、カニュレーション、血管吻合など)を実施する。
10 ) 外科専門医取得のための最低手術件数 350 例、術者 120 例を経験する。
11 ) 心臓血管外科専門医難易度 A,B の手術の第 1 助手を務める。
12 ) 難易度 A の手術の一部を実施する。
13 ) 医療安全、感染対策の主旨を理解し、マニュアルに準じて適切に対処する。

B 後期
一般目標
心臓血管外科として安全な手術を実践するために、心臓血管外科領域における知識、技量を修得し、心臓血管外科専門医を取得する。

行動目標

1 ) 診療チームの中堅的存在として、周囲の医療スタッフの意見をまとめ円滑な診療を行う。
2 ) 医学生、初期研修医、後進外科研修医に外科診療を指導する。
3 ) 患者さんや家族に病状や治療方針を適切に説明し、処置のインフォームドコンセントを行う。
4 ) 心臓血管疾患の診断に必要な診察を行い、必要な検査法を選択、実施する。
5 ) 心臓血管外科難易度 A,B,C の手術の術後合併症とその対処法を詳細に述べる。
6 ) 心臓血管外科難易度 A,B,C の手術の第 1 助手を務める。
7 ) 心臓血管外科難易度 A,Bの術式の一部を実施する。
8 ) 術前に病状を適切に評価、全身管理し、また術後には病状を把握し容態変化に応じて、
適切に呼吸、循環管理を行う。
9 ) 学会で研究発表を行い、適切に質疑応答する。

【2方略】

1 ) 外科専門医取得のため、修練協力施設にて修練する。
消化器、乳腺、内分泌、小児外科 :岩手医科大学外科および関連病院ー6~ 12 ヶ月
呼吸器、鏡視下手術 :岩手医科大学呼吸器外科―4~6ヶ月
心臓血管外科 :岩手医科大学循環器医療センター他― 18 ~ 24 ヶ月
2 ) 心臓血管外科専門医取得のため最低到達目標を定め、研修指導医が 3 ヶ月ごとに
研修内容をチェックし、修練内容に不足や偏りがあれば修正する。
最低術者数― 50 例、最低手術点数― 500 点
術者 第一助手 点数 *
1,2年目 3 20 49
3年目 5 20 55
4年目 7 25 71
5年目 10 30 90
6年目 15 35 115
7年目 20 40 140
合 計 60 170 520

*点数、術者は 3 点、第 1 助手は 2 点で計算

3 ) 定期的( 3 ヶ月に1回)にウェットラボを開催し、基本手技を経験する。
4 ) 年に最低1回、学会あるいは研究会で演者として発表する。また、年1回、学術論文を筆頭著者として報告する。

【3評価】

1 ) 態度、技能領域は上級医と指導医が観察記録にて年1回評価する。
2 ) 知識領域はカリキュラム責任者が年1回評価する。

【心臓血管外科領域の修練年次別到達目標】

1年目
目標:心臓血管外科診断、治療に必要な基本的事項(構造、機能、病因)を理解する。診断技術(問診、診察、基本的検査法)を実施し病態評価する。
方略:担当医として症状を聴取し、理学的検査を実施する。また心エコー検査、 CT 検査、 MRI 検査、 DSA 検査、 ABI 検査の結果を理解する。基本的手技としては開胸、閉胸、開腹、閉腹操作などを実施する。

2年目
目標:心臓血管外科の基本的手技や基本的手術を実施する。
方略:基本的手技( Swan-Ganz カテーテルの挿入、心肺蘇生、気管内挿管など)や基本的手術手技(血管の露出、血管吻合術、グラフト採取、送・脱血管カニュレーションなど)を積極的に実施する。難易度 (A,B) の手術の第 1 助手を経験する。

3年目
目標:心臓血管外科手術における補助手段と周術期病態を理解する。心臓血管外科手術を実施する。
方略:開心術の補助手段としての体外循環、補助循環の操作を習得する。人工心肺装置、 PCPS 、 IABP を操作する。各種急性血液淨化療法での淨化器と血液回路を操作する。 ICU の周術期患者を通じて、心電図、 Swan-Ganz カテーテルのモニタリングと意義、人工呼吸器の設定、離脱、心血管系作働薬の適正な投与、抗凝固療法、各種臓器障害を把握する。術者として難易度 (A) 手術を経験する。

4年目
目標:心臓血管外科疾患の外科治療計画を策定する。
方略:患者を通じて手術適応、治療計画の策定、予想されうるリスクを理解する。医学的根拠のみならず、患者の社会的背景を考慮した手術適応を決定できる。麻酔法、手術到達法、補助手段、術式、術後管理など心臓血管手術全経過の方針を立てる。難易度( C )の第1助手を経験する。

5~7年目
目標:術中、術後合併症を予測し、また適切に対処する。
方略:主治医として患者に接し、病状、心臓血管外科手術、リスク、合併症などについて説明する。社会情勢を熟知し、医の倫理に基づき、心臓血管外科治療を行う上での適正な態度と習慣を常に実践する。難易度 (B) の術者を経験する。

参考データ
# 1
選択優先コース(定員20名)
内科(6ヵ月) :基礎研修1ヵ月+内科5ヵ月
基礎研修1ヵ月のうち午前中を内科、午後を放射線科と臨床検査部を2週間ずつ研修する。
内科は、一内、糖内、二内、三内、血内、神内、花巻温泉病院より選択。
どの科で何ヵ月研修するかは希望による。

外科 [ 旧一外科 ] (2ヵ月)、救急科(2ヵ月)、麻酔科(1ヵ月)、外科系選択(1ヵ月)
※外科系選択は、外科 [ 旧一外科 ] 、脳外、心外、呼外、救急科、麻酔科より選択。
産婦人科、小児科、精神科、地域医療(4ヵ月) :1ヵ月ずつ研修
選択科目(8ヵ月) :1ヵ月単位での研修も可。選択科目の期間を基本研修科目、必修科目に続けて研修することも可。

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1年次 基礎研修(内科) 内 科 外 科 救急科 麻酔科 外科系選択
2年次 産婦人科 小児科 精神科 地域保険医療 選択科目(8ヵ月)

#2外科学会専門医
手術実績

最低手術件数 350例
術者として 120例 消化管及び腹部内臓 50例 鏡視下手術 10例
乳腺 10例
呼吸器 10例
心臓・大血管 10例
末梢血管 10例
頭頚部・体表・内分泌外科 10例
小児外科 10例
各臓器の外傷 10例

#3 心臓血管外科専門医

  • 術者として最小50例以上の手術を行うこととし、
    その内訳において同一術式は10例を超えないこととする。
  • 第1助手としては50例以上を行うこととする。
  • 第2助手としては、基本的手技を行った場合に点数を認めることとする。
  • 総点数を 500点以上とする。その点数加算方法は以下の通りとする。
    i. 術者としての点数
    ii. 第1助手としての点数
A B C a b c
術 者 3 4 5 - - -
第1助手 1.5 2 2.5 - - -
第2助手以下 - - - 0.3 0.4 0.5

iii. 第 2 助手としての基本的手技点数(表II 1~4)•
iv. A B C・・・・手術難易度(表I参照
a b c・・・・手技難易度( 表II参照

〈備考〉

  • 新生児や再手術の加算は行わない。
  • 手術術式の点数は表Iの通りとする。
  • 基本的手術手技の点数は表IIの通りとする。
  • 術者とは、手術名に示された手術の主要な部分を実際に行ったもの。
表I.手術術式の点数
難易度(A) 難易度(B) 難易度(C)
1.先天性心疾患
(1)PDA 手術
(2)ASD 閉鎖術
(3)VSD(肺動脈弁下型)閉鎖術
(4)肺動脈弁切開術
2.弁膜症
(1)房室弁輪形成術
(2)房室弁交連切開術
3.その他の心疾患手術
(1)心膜切開・開窓術
4.動脈
(1)動脈血栓摘除術
(2)頚動脈内膜摘除術
(3)末梢動脈瘤手術
5.静脈
(1)静脈血栓摘除術
6.その他の血管系手術
(1)動静脈シャント作成術
1.先天性心疾患
(1)体動脈-肺動脈短絡術
(2)肺動脈絞扼術
(3)CoA(大動脈縮窄)手術
(4)VSD(膜様部型、筋性部型)閉鎖術
(5)PAPVD 修復術
(6)ECD(partial)修復術
(7)バルサルバ洞動脈瘤破裂手術
(8)DCRV手術
(9)右室流出路形成術
(10)大動脈弁切開術
(11)冠状動脈瘻手術
2.弁膜症
(1)大動脈弁置換
(2)僧帽弁置換
(3)その他単弁置換
3.虚血性心疾患
(1)CABG(1~2枝)
4.その他の心疾患手術
(1)心臓腫瘍摘出術
(2)収縮性心膜炎
5.大動脈
(1)上行大動脈置換術
(2)下行大動脈置換術
(3)腹部大動脈置換術(腎動脈以下)
(4)傍腎動脈腹部大動脈閉塞に対する直接的血行再建術
6.動脈
(1)膝関節以上の血行再建術
(2)上肢の血行再建術(鎖骨下動脈を含む)
(3)腹部内臓動脈血行再建
(4)腎動脈血行再建術
(5)破裂性末梢動脈瘤手術
(6)下肢に対する非解剖学的バイパス術
7.静脈
(1) 末梢静脈血行再建術
8.その他の血管系手術
(1)血管外傷に対する手術
(2)胸郭出口症候群
(3)リンパ浮腫に対する手術
1.先天性心疾患
(1)TOF 修復術
(2)TGA 手術
(3)DORV手術
(4)TAPVR 手術
(5)ECD(complete) 手術
(6)Fontan型手術
(7)Truncus 手術
(8)Ebstein 病手術
(9)単心室症手術(心室中隔造成術)
(10)大動脈中隔欠損閉鎖術
(11)大動脈弁上狭窄手術
(12)大動脈弁下狭窄手術
(13)冠状動脈起始異常症手術
(14)CoA(Complex)手術
(15)末梢肺動脈形成術
2.弁膜症
(1)弁形成術
(2)複合弁手術
(3)大動脈弁輪拡大術
(4)大動脈基部置換術
3.虚血性心疾患
(1)CABG(3枝以上)
(2)心筋梗塞合併症に対する手術
4.その他の心疾患手術
(1)肺動脈塞栓除去術
(2)心室頻拍手術
(3)副伝導路切離術
(4)Mazeの手術
5.大動脈
(1)弓部大動脈置換術
(2)胸腹部大動脈置換術
(3)腎上部腹部大動脈置換術
(4)大動脈解離に対する手術
(5)感染性又は炎症性腹部大動脈瘤 に対する手術
(6)大動脈瘤破裂の手術(腹部、上行、下行胸部大動脈瘤)
(7)異型大動脈縮窄症に対する手術
6.動脈
(1)膝関節以下の血行
再建術
(2)椎骨動脈血行再建術
7.静脈
(1)大静脈血行再建術
(2)門脈・上腸間膜静脈血行再建術
(3)門脈圧・亢進症に対するシャント手術
表II.基本的手術手技の点数
1.血管吻合術
(1) 大動脈 b
(2) 中口径動脈 a(ex. 頸動脈、鎖骨下動脈、大腿動脈 etc.)
(3) 小口径動脈(5mm以下) c(ex. 橈骨動脈、膝窩動脈、足背動脈 etc.)
(4) CABG近位側吻合 a
2.グラフト採取
(1) SVG a
(2) 動脈グラフト b
3.再建血管の露出
(1) 大動脈 b
(2) 中口径動脈 a(ex. 頸動脈、鎖骨下動脈、大腿動脈 etc.)
(3) 小口径動脈(5mm以下) c(ex. 橈骨動脈、膝窩動脈、足背動脈 etc.)
4.カニュレ-ション(A・V共に挿入した場合のみ) b
5.静脈ストリッピング術 a
6.ペ-スメ-カ-移植術 b
7.人工心肺・PCPS操作 b

<備考> 5. 6. 7. については、基本的手技に含め、術者、操作責任者に点数を与える。

業績
心臓血管外科に関する論文・著書、学会発表、学会参加が以下の条件を満たしていること。

論文・著書: 査読制度のある全国誌以上の論文 3 編以上(筆頭論文 1 編以上を含む)
学会発表: 全国規模の学術集会において筆頭で 3 回以上(少なくとも 1 回は日本胸部外科学会総会または日本心臓血管外科学会総会または日本血管外科学会総会で発表)
学会参加: 日本胸部外科学会総会または日本心臓血管外科学会総会または日本血管外科学会総会に 3 回以上参加していること

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